機密文書のシュレッダー処理に潜むリスクと課題│安全な処分方法も紹介

株式会社WELL(ウェル) 営業部

企業や組織にとって、社内の大事な情報が外部に漏れてしまうのは危ないことです。
事業を運営するのに大事な新製品の開発情報や営業秘密、個人を特定できる情報や顧客に関する情報が外へ漏えいすると大きな損害につながります。

最近は機密文書をデータで保管することも増えましたが、紙に印刷して取引先とやり取りする場面もまだまだ多いのではないでしょうか。機密情報を紙に印刷したら、どう処理していますか。

まず思いつくのは社内にあるシュレッダーで機密文書を細かく裁断する方法ですが、はたしてその処理で機密情報が外に出ることがないのでしょうか。
今回は、機密文書の定義を説明し、シュレッダー処理のリスクについて解説します。また、安全な処理方法として「焼却処理・溶解処理・破砕処理」をご紹介します。

 

機密文書とは

大事な書類だとは認識している機密文書。会社の財務、自社製品の設計図から顧客情報までを含みますが、実は機密文書は重要度に応じてレベル分けされるのをご存知でしょうか。

一般的に「極秘文書」「秘文書」「社外秘文書」の3種類を機密文書としています。

まず最初に、機密文書の中で最も重要で慎重に管理するべき文書は「極秘文書」です。
企業の経営に関するものなので、情報が漏えいすると会社の利益に損害を与える可能性があります。
閲覧できるのは経営に関わる役員や一部の社員だけであり、保管は徹底されていることでしょう。

次に「秘文書」です。
会社内で共有が禁止とされるレベルの重要度で、部署ごとに扱い重要な書類を含みます。
外部に流出すれば不利益を受けるため、保管や管理は慎重に行うことになります。

最後に「社外秘文書」です。
社外秘文書は、社内のみで閲覧できるように限定してる文書やデータを指します。
会議の議事録、顧客リスト、企画書、見積書が含まれます。必要であれば、取引先に送る文書が含まれるので、保管や管理方法を一番徹底しなくてはいけません。

このように、重要度に応じて文書を分ける理由は、社員が文書の取り扱いをより丁寧に扱うよう意識を高めるためです。
一般的な文書は自由にコピーしたり、机の上に置きっぱなしにしたりするなど、扱いが雑になります。このような一般書類と混同しないよう、社内で
「機密文書取り扱いマニュアル」などを作成し、社員にセキュリティ教育を行うと、紛失される危険性が少なくなります。

 

シュレッダー処理で生じるリスク

そんな機密文書を外部に漏らすことなく処理するには、どうしたらいいでしょうか。社内で使わなくなった機密文書を処理するにはシュレッダーを使うのが一般的です。

しかし、手当たり次第に書類をシュレッダーで処理して情報漏えいが防げるのでしょうか。
また、シュレッダーにかけた時点で文書は読めない状態なので、書類として残してあるものをどう管理するかも重要となります。

万が一、機密文書が社外に漏えいした場合、さまざまな障害を引き起こす可能性があります。たとえば、漏えいした文書が取引先や顧客情報だった場合、不利益が生じるケースです。
社会や人の安全に関する情報が含まれている書類の場合、すぐさま拡散防止のための対策を取らなくてはなりません。内容によっては、関連省庁へ報告、マスコミにも対応するため経緯を説明する必要があります。

近年、情報漏えいに対して世間の目は厳しくなっています。情報が漏えいした会社は、信用を失い、事業の継続にも影響がでることがあります。
実際に、教育業界で顧客情報を漏えいする事件が起こりました。顧客へのお詫び対応や、謝罪広告などの費用として、200億円を超える損害が発生したといわれています。
この出来事をきっかけに、個人情報の保護に関する法律や制度の見直しが進められることになりました。情報漏えいに対する法律や規制は厳しく、違反した場合には厳しい罰則が科されることがあります。

さらに、SNSやネットニュースによる拡散で企業イメージが悪くなり、株価への影響も出るでしょう。信用を失うのは一瞬ですが、信頼を取り戻すには時間がかかります。そのため、機密文書の管理・保管には十分な配慮をし、社員に対してセキュリティ教育の徹底が必要です。

 

機密文書の安全な処理方法

機密文書の安全な処理方法としては、「焼却処理」「溶解処理」「破砕処理」の3種類があります。シュレッダー処理と比較してみましょう。

 

焼却処理

焼却処理は、その名の通り、箱ごと焼却する方法です。
箱に詰めた機密文書をそのまま燃やしてしまうため、機密文書を一気に処分できる点が最大のメリット。紙だけでなく情報を入れたCD-ROMなどの媒体や、ホチキスの針なども一緒に処理できます。

しかし、焼却処理で問題になるのが、環境への配慮です。もちろん、各企業が独自に焼却炉で処分することはできません。焼却処分を行っている業者自体、比較的少なく、機密文章の処理についてセキュリティ対策をしているとは考えにくいので、情報漏えいが懸念されます。

シュレッダー処理と比べて処理は簡単ですが、焼却することで二酸化炭素が排出されるので、会社としての「環境への取り組み」を考慮しても最善の方法とはいえないかもしれません。

 

溶解処理

溶解処理は、水と機械の撹拌力にてバラバラの繊維になるまで溶かしていく方法です。
機密書類は段ボール箱に入れて回収し、梱包された状態で工場へ運ばれて機械に投入します。見た目は紙が溶けてしまうように見えますが、水の力を借りてほぐして古紙として再利用されやすい状態にします。この時点で、機密書類の内容は読めず、再現も不可能です。
業者によってはバインダーやホチキスなどを外さなくても処理できるところもあるため、書類が大量の機密書類の場合でも処分作業に時間をとられることはありません。

溶解処理を1箱から受け付けているサービスもありますが、集荷料や溶解証明書の発行料が別途かかるケースもあります。1ヵ月に数キロ程度の書類しか発生しないオフィス等では、シュレッダーで十分かもしれませんが、それだけのために高額な購入費用やリース料を負担するのも悩みどころです。

また、情報セキュリティの面では、大型ミキサーのような専用の機械で処理をするので、会社から回収された書類を溶解処理するまでの間に一時保管が発生するのが一般的です。
また、輸送時の車両におけるセキュリティ面も業者によっては、考慮できていない可能性があります。

シュレッダー処理と比べて、機密文書の仕分けの手間は省けますが、会社の規模によってはコスト面がかかってしまうこともある溶解処理。書類を再利用できるという点では、焼却処理に比べて環境に配慮しているといえるでしょう。

関連記事:機密文書の溶解処理サービスはセキュリティで選ぶ|見落としがちな回収・保管方法

 

破砕処理(WELLのケース)

WELLでは厳重なセキュリティが施された自社工場で破砕処理を行います。
機密書類が入った段ボールは開封しないまま、大型の破砕機で書類が判読できない状態に処理します。従業員による分別作業も行なわないので、情報漏えいのリスクは最小限。処理が完了すると証明書を発行しています。

混入しているバインダーやクリップ、ホッチキスもそのまま破砕できます。
しかし、ごくまれに、段ボールの中に電池が混入していると、粉砕機の内部で高速回転している刃から衝撃を受けて発火することがあります。またあるときは、粉砕機で粉砕できない金属の部品が入っており、機械を停めたことも過去にはありました。
お客様にはなるべく書類以外のものは入れないようにお願いをしています。

シュレッダー処理に比べたら、情報漏えいの心配がない点は、安心に繋がるでしょう。圧縮加工した書類はWELLから専用の搬出車で製紙会社に納品します。

また、弊社では機密書類を回収後に製紙会社へ直行して直接溶解処理を行う方法や、万全なセキュリティ体制を保持しながら、鉄道で機密書類を輸送してリサイクルへ回す方法、シュレッダー搭載車を使ってオフィスや工場に伺い、目の前で裁断処理を行うこともできます。

WELLの破砕処理の特徴はこちらから確認いただけます。

 

 

シュレッダー処理は手軽だが課題も

コストだけで見ればWELLのサービスよりもシュレッダー処理の方が手頃に見えるかもしれません。
ですが、意外とコストがかかっているケースもあります。

シュレッダー・セキュリティボックスのコスト比較

※クリックすると拡大画像が表示されます

参考:電気代・電気料金検索

こちらの表は以前、比較検討されるお客さまに向けて作った資料の一部です。前提条件として、事前にヒアリングを行い、業務用シュレッダー機器や書類の排出量、作業する方が2名で週4日勤務、2台のシュレッダーを管理する作業時間を1日30分として算出しています。  

表にしてみるとわかりますが、いつでもオフィス内で機密抹消処理が完結できると安心できる点は大きいです。処理費はビルの管理費に含まれることが多く負担が少ないといえますが、人件費と保守サービスなどにコストがかかります。
保守サービスはシュレッダーの故障のときに必要なので、本体の購入とセットで入ることになるでしょう。

今回は単純に作業時間のみで人件費を計算しています。シュレッダーを使った後に飛散する細かい紙の処理や掃除。社内で機密文書を処理しているものの、確実にシュレッダーにかけているかどうかといえば100パーセント断言することは難しいでしょう。
機密文書を取り扱う上で社員にセキュリティ教育を徹底させる必要もあります。それらの手間を考えると、
人件費は上がる可能性があります。

一方で、セキュリティボックスは機密文書を入れていくだけなので、作業時間がかかりません。
壊れることもあまりないので、保守サービスがない点は、年間にすると大きなコストダウンが可能です。

また、本体価格の比較についても耐用年数を考えると、セキュリティボックスの方が経済的にも優しいといえます。

最後に気を付けて欲しいのが、業者の選定です。
機密文書の処理については、弊社のような古紙回収と機密書類の処理をしっかりと分けている会社もあれば、古紙回収事業者などいろいろな企業が参入しています。業者によってサービスの品質に差があるのが現状です。
また、情報漏えいに関して、きちんとした知識・意識を持ちあわせていない業者も見受けられます。機密文書・機密書類の回収・廃棄・処理に関しては、できるだけ実績がある業者だと安心です。

 

まとめ

今回は機密文書をシュレッダーで処理するときのリスクと課題についてご紹介しました。安全に行える主な処理方法についてもメリットとデメリットを挙げ、比較してみました。

機密文書が外部へ流出すると、社会的にイメージダウンにつながりますので、確実に処理することが望ましいです。
WELLでは破砕・溶解処理だけでなく、出張処理など多数の処理方法からお選びいただけます。専用のセキュリティボックスも回収するタイミングもお客さまに合わせて決めることができるので、私たちWELLまでご相談ください。

 

株式会社WELL(ウェル) 営業部

ビジネスの中で廃棄される機密書類や、不要になった古紙などを、迅速な回収、安全な再資源化を行なう機密書類処理のリーディングカンパニーの営業部です。