紙媒体の機密情報を安全に処分するために信頼できる業者の選び方について
株式会社WELL(ウェル) 営業部
デジタル化が進む現代においても、紙の書類は依然として多くの企業で重要な役割を果たしています。特に機密情報を含む書類の処分は適切に行われないと、企業の信頼性や法的責任に影響を及ぼす重大な問題となります。情報漏えいのリスクを防ぐためには適切に行わなければなりません。
WELLでは取り扱いできない地域にある企業様からも、「紙の機密書類を安全に処分する業者をどうやって選ぶのか?」と相談されることがよくあります。
機密書類の処分を行うプロである私たちが業者を選ぶとき、どのような点に注意して判断するかを紹介します。
企業における機密書類の処分の重要性
紙で取り扱う機密書類には、顧客情報、契約書、財務データ、知的財産など、外部に漏れると企業の信頼を損なうだけでなく、法的リスクを伴う情報が含まれています。
特に、日本では個人情報保護法やその他の関連する法律によって、企業は適切な情報管理と廃棄を求められています。
紙で扱う機密書類は、コピーをするとどこに保管されるのか追跡が難しいこと、書類の置き忘れなど人的なミスで情報が流出してしまうというリスクがあります。また、適切に廃棄されないと、廃棄プロセスの中で流出するということも考えておかなくてはいけません。
自分たちの手元を一度離れている状態なので、現状を把握してからどういった対策を取るのか、あらかじめ対応策を準備しておく必要があります。万が一対策を怠ると、会社の信頼を失うことになりかねません。
機密情報を運搬中に起こった事故
実際に紙の機密書類が流出してしまった事故を3件ご紹介します。
・クレジットカード情報が含まれた紙の機密文書が流出
「路上に個人情報の書類が落ちている」という通報を受けて情報漏えいが発覚。廃棄業者が顧客の個人情報の書類を廃棄する過程で、段ボール1箱分の帳簿を紛失したことがわかりました。
この個人情報の中にはクレジットカード情報も含まれており、業務委託先の個人情報の取扱いに関して、今後は更に徹底するとの声明を発表しています。紛失や盗難のリスクがあるということを印象付ける出来事でした。
・機密文書の運搬中に路上に書類が散乱
運搬中に個人情報が記載された書類がトラックの荷台から落下したことで、路上に書類が散乱しニュースになりました。書類自体はすぐに回収されたので、個人情報を不正に利用したというトラブル報告は確認されていません。
今後の対策として、書類の運搬方法や積み込み作業などを見直して同じようなトラブルが起こらないよう努めるとのことです。紙の機密文書は、輸送の途中でリスクがあるということを浮き彫りにしました。
・不適切な廃棄で紙の業務情報を紛失
情報が適切に処理されていなかったという例もあります。会社の平面図や設備などを記載した書類や各部門の担当者や連絡先を記載した書類を一般ごみとして排出してしまい、処理の途中で収集車から路上に飛散し、通行人からの通報によって事実が発覚しました。
これは従業員の機密情報の取り扱いの理解が乏しかったと考えられています。また社内の機密情報の処理に対する関心度が低く、処理をするプロセスも不十分だといえるでしょう。
今回の3つの事例のうち2つは、委託業者が機密書類を運搬するときに起こっています。施錠をしてないなどのセキュリティの甘さは委託業者の個人情報に関する意識の低さでもあります。
また、最後の事例は、廃棄に関するルールの見直しをするなど、機密情報を管理する責任者が定期的にチェックを行なう体制を整えることで防ぐことができます。
社員の機密情報の取り扱う意識づけや適切なセキュリティ教育の大切さがよくわかります。
機密書類処理業者を選ぶ際の基準
では、適切に機密書類を処理してくれる業者はどうやって選べばいいのでしょうか。
機密情報を取り扱うWELLでは、書類の処理について企業からの相談に乗っていますが、多い質問が「どうやって処理業者を選べばいいのか」です。
WELLでカバーできない地域にある企業には、紹介することもありますが、自分で選ぶときのポイントをお伝えしているときもあるので、そのポイントを紹介しましょう。
設備とセキュリティ対策
機密情報の書類を安全に処理するためには、業者に適切な設備とセキュリティ対策があるかどうかが非常に重要です。
・入館管理
機密書類を扱う場合、施設への出入も管理が必要です。入館管理システムによって誰がいつ施設に入ったかを記録し、異常な動きや不正なアクセスがあった場合に即座に対応できます。入退室のログは一定期間保存しておくといいでしょう。
ICカードや生体認証システムによるアクセス管理をすることで取引先の企業も安心する材料が増えます。
・廃棄するタイミング
機密書類を受け取った時点でその日か翌日には廃棄することを原則としています。中には毎月や毎週といった決まったタイミングで廃棄を行ったり、事前に処分日を決めて書類の処分を計画的に行うところもあります。
・保管
すぐに機密書類が処分できない時は、原則は一時保管をせずに、回収即日処分が一番安心です。
やむを得ず保管が発生する場合は、保管庫のセキュリティをしっかり確認することが求められます。そのとき、保管倉庫内に24時間録画可能な監視カメラの設置、入退室の管理が徹底されているかどうかをチェックするのがポイントです。
・運搬車両
移動中の情報流出を防ぐためにも、運搬車両にも機密書類を安全に処理するための工夫が必要です。輸送中のルートの管理や、GPSによる追跡ができるかどうかなど、履歴が残っており、後でお互いに確認ができる体制があるとより安心です。
信頼性と実績
・信頼と経営者の理念
業者を選ぶ際には、信頼できる根拠と過去の実績も大きな判断材料です。過去に漏えいした形跡がないかは取引経験のある他社に確認もできますし、実績の中に金融機関や大企業との取引履歴を持つ業者は信頼できるでしょう。特に金融機関は機密書類を扱う項目が多いため、定期的に処理施設の監査に入っています。取引先から信頼されているという事実は大きいです。
機密書類の保管状況については、経営者のセキュリティ意識が関係してきます。長期的にお客様と良好な関係を築きたい、社会的責任や環境への配慮を重視しているかなど、情報漏えいを防ぐだけでなく、企業としての社会的使命感を持って行動しているかの判断材料になるでしょう。
・コンプライアンスの遵守
プライバシー法や情報セキュリティに関連する法令をしっかり遵守しているかは、ISMS(情報セキュリティマネジメントシステム)やPマーク(プライバシーマーク)を取得してるかで判断できます。
社員教育
情報漏えいを防ぐため、機密書類の取り扱いに関する従業員教育は、企業のセキュリティ戦略において極めて重要です。
その際に押さえたいポイントが、社員教育と管理者の意識改革です。まずは書類をどう分類するかの社内ルールを決めた上で、社員に周知させることです。
紙をコピーするとどんな機密情報を複写したかの履歴は残りません。そのため、社員が社外へ持ち出すとき、いつ、どこでどの機密書類を渡したのかを把握できるようにする、印刷をしないでデータにして履歴を残すなど、後から確認できる体制を整えます。また、実践するためには管理者のリーダーシップと意識も大切です。
どこの部署が会社の機密情報に触れる機会が多いのかを管理者は認識をして、考えられるリスクを想定した情報管理を率先して行うことで、会社全体で機密情報の取り扱いの意識を高めることができます。
機密書類を処理する方法
機密書類をどうやって処理をしているか、その方法も業者を選ぶときのポイントです。
一般的には、主に3つの処理方法があります。
・シュレッダー処理
社内にあるシュレッダーを使って書類を細かく裁断する方法です。
必要なときにすぐに機密情報が抹消できますが、大量の書類をシュレッダーにかけなくてはいけないときは、手間がかかります。また、裁断された紙片はリサイクルには不向きで焼却処分されることが多く、環境への配慮を考えると負担が大きいです。
・破砕処理
大型破砕機を用いて紙をばらばらに砕き、書類を判読不能にする方法です。
WELLのような委託された専門業者が処理にあたります。一軸破砕機を用いた場合、書類に付属した金属やプラスチックなども関係なく砕くことができるので、書類の分別が不要な点は企業にとっては手間が省けます。
・溶解処理
大量の水で書類を紙繊維になるまでほぐし、復元不能な状態にする方法です。
未開封のまま大量の書類を一度に処理することができ、処理後は再生紙の原料としてリサイクルされます。
ただ、社内ではなく、製紙工場に運ばれて処理されるため、運搬途中の事故や散乱の危険性が伴うことを考慮しなくてはいけません。また、委託先がセキュリティ意識の低い事業者だと、何かトラブルが発生すると、重大な影響を受ける可能性があります。
【機密書類を処理する方法については、こちらのページで解説しています】
【簡単】大量の会社書類の安全な捨て方3選|個人情報を守るための注意点とは?
業者選びで注意すべき点
最初に頭においていただきたいことは、情報取得を目的とした書類の回収をしていないか、ここが重要です。回収した機密書類から情報が抜かれることがあってはいけないので、その不安をしっかりと払拭できるかがポイントになります。
・安価すぎる業者に注意
社内のコスト削減を目指して、安価な業者を選ぶのはリスクが伴います。価格が安いのには必ず訳があるのです。低価格を売りにしている業者の中には、セキュリティ対策が十分でなかったり、処理の品質が低いことがあります。
適切な処理が行われないと、最終的に情報漏えいのリスクが高まり、企業にとって深刻な結果をもたらす可能性があります。
無料で機密書類を回収を行っているサービスを提供している場合、会社情報がホームページやパンフレットに記載されているか、ビジネスモデルがきちんとしているか事前の確認が必要です。
・ 処理後に発行される証明書
機密文書が確実に抹消されたということを証明する書類を、廃棄証明書といいます。
名称については業者によって複数あるため、あらかじめ確認しておきましょう。この証明書により、書類が適切に廃棄されていることが確認できます。
また、この証明書があることで、企業が情報漏えい対策をしっかりと行っている証拠にもなります。
証明書には、処理日、処理場、処理方法、処理数量(箱数、重量)がしっかりと記載されている必要があります。必ずしも、証明書発行=適切な処理業者ではありませんので留意しておきましょう。
・外部委託のリスク
業者が書類処分をさらに外部の業者に委託している場合があります。そのとき、書類の管理責任が曖昧になり、情報漏えいリスクが増大します。運搬中に機密書類が飛散したなどの事例は委託していた業者が起こしているケースが多いです。
外部委託があるかどうかを事前に確認し、できるだけ一貫して自社で処理を行う業者を選ぶとリスク回避になります。
株式会社WELLの破砕処理サービスで実現する安全な情報漏洩対策
機密書類回収・処理事業を行っているWELLでは幅広いニーズに対応できる、豊富な処理方法を用意しています。中でも破砕処理には力を入れています。
WELLの破砕処理サービスは、運び込まれた大量の書類を一度に細かく粉砕します。その後、攪拌して圧縮し、大きな紙の塊に加工します。この塊は専用の搬出車で製紙会社に納品され、リサイクルされます。
特徴としては、社内で書類を整理するためにチューブ式ファイルにとじられたままの書類やクリップ、ホチキスが付いた状態でも処分が可能です。
さらに、工場内は生体認証システムによって入退室が管理されています。窓のない密閉型のセキュリティ施設のため、防犯設備も、高度。その中で処分が行われるため、安全性も確保されています。
処理終了後には「機密抹消証明書」をお客様に発行しますので、安心度も高いです。
機密書類の回収方法は専用のボックスに入れるだけで手間がかかりません。
搬入された機密書類は、未開封のまま処理。従業員による分別作業も行なわないため、情報漏洩リスクを最小限に抑えた上で対処しています。
希望に応じて処理に立ち会うことができ、確かなセキュリティ体制をしっかりと確認することができます。
詳しくはWELLの「機密書類回収・処理事業」をご覧ください。
機密書類回収・処理事業
まとめ
データ化が進んでいるといえど、機密情報を含む書類は適切に処理しなくてはいけません。
どうやって処理をするか、どの業者を選ぶかも企業にとって重要な課題です。また、業者を選ぶときは、設備とセキュリティが充実しているか、実績はあるのか、会社に対して信頼が持てるかなどをポイントに選んでもらえたらいいと思います。
最終的には、企業のリスクを最小限に抑え、効率的かつ安全な処理を行っている業者を選ぶことが大切です。まずは信頼できる業者に相談することをお勧めします。
株式会社WELL(ウェル) 営業部
ビジネスの中で廃棄される機密書類や、不要になった古紙などを、迅速な回収、安全な再資源化を行なう機密書類処理のリーディングカンパニーの営業部です。